古い風呂敷や古布は、骨董市の中でも最も手軽に入門できるジャンルの一つです。数百円から入手でき、素材の違い・文様の意味・染め技法の読み方を知るだけで、見え方がまったく変わります。また古布はインテリア・テーブルクロス・タペストリーとして現代の生活にも活用できるため、骨董入門者に特に向いています。
蚕の繭から取る絹糸100%。光沢があり、触れると滑らか。燃やすと髪の毛が焦げる香り。高級品の証で、化学繊維との見分けは触感と光の反射で判断
植物性繊維。素朴な風合いで吸湿性が高い。明治以前は国産、明治以降は輸入綿が増加。庶民の日用品・農村の布ほぼ全てが木綿
大麻・苧麻・亜麻などの植物繊維。木綿より丈夫で通気性が良い。夏の衣料・農作業着・神事の布として使われてきた。越後縮・能登上布が有名
| 文様名 | 意味・由来 | 多く見られる時代 |
|---|---|---|
| 松竹梅(しょうちくばい) | 長寿・節操・吉祥。冬を越す三つの植物 | 江戸〜明治 |
| 鶴亀(つるかめ) | 長寿の象徴。「鶴は千年、亀は万年」 | 江戸〜大正 |
| 七宝繋ぎ(しっぽうつなぎ) | 円が重なり無限に広がる吉祥文様。縁起と繁栄 | 江戸〜昭和 |
| 市松模様(いちまつもよう) | 白黒の格子。魔除け・縁起担ぎ。子の守り布として多用 | 江戸〜現代 |
| 唐草(からくさ) | 蔓草が無限に伸びる生命力と繁栄の文様 | 江戸〜昭和 |
| 矢絣(やがすり) | 矢羽根を模した絣文様。矢は射ると戻らないことから縁起物 | 江戸〜明治 |
古布の製造年代は素材・文様・染料から大まかに推定できます。
| 時代 | 素材の傾向 | 文様・染め |
|---|---|---|
| 江戸時代(〜1868) | 正絹・木綿・麻が主流。化学繊維ゼロ | 植物系染料(藍・茜・刈安)。繊細な手描き友禅・絞り |
| 明治〜大正(1868〜1926) | 輸入綿が普及。ウールが入り始める | 化学染料の鮮やかな色が登場。銘仙(めいせん)が流行 |
| 昭和初期(1926〜1945) | 化学繊維(レーヨン・スフ)が登場 | 昭和レトロ文様。幾何学・西洋花柄が増える |
| 昭和戦後(1945〜) | ナイロン・ポリエステルが普及 | 大量生産の印刷柄。手仕事感が減る |