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COLUMN — 茶道具

香合(こうごう)の見方入門
素材・産地・格式で読む茶の香入れ

陶磁器・漆器・金属 — 炉と風炉で使い分ける香合の世界

香合(こうごう)は茶の湯において炭手前(すみでまえ)の際に香を入れて持ち出す小さな蓋物です。茶道具の中でも特に小さく、しかし格調と個性が凝縮された存在として茶人に珍重されてきました。

香合は単に香を入れる容器ではなく、炉・風炉の別、亭主の取り合わせの美意識、季節感を体現する重要な道具です。茶事の席ではしばしば最初に拝見が求められる道具の一つです。

炉と風炉——季節による使い分け

炉(11〜4月):漆器の香合を用います。漆の保湿性が練り香(ねりこう)の乾燥を防ぐためです。蒔絵・螺鈿・堆朱などの漆工香合が中心。

風炉(5〜10月):陶磁器・金属の香合を用います。乾いた香(印香・抹香)を使うため、陶磁器の吸湿性が適します。染付・色絵・備前・楽など多彩な香合が登場します。

陶磁器の香合

国内窯の香合

窯元特徴
楽焼(らくやき)手捏ね(てづくね)の温かみ。赤楽・黒楽で季節感を出す。千家十職・樂家の作が最高格。
仁清(にんせい)・京焼上絵の精緻な色絵・金彩。雅な文様が特徴。
備前(びぜん)釉なしの焼き締め。素朴な土味と景色が魅力。
萩(はぎ)柔らかい土質と釉の温かさ。使い込むほど貫入から茶が染みる。
瀬戸(せと)古瀬戸・志野・黄瀬戸・瀬戸黒など多様な表情。
唐津(からつ)斑唐津・絵唐津の大らかさ。朝鮮陶の影響。

中国・朝鮮の香合

茶の湯では中国・朝鮮の古窯の小さな蓋物が転用香合(てんようこうごう)として珍重されます。中国の染付・青磁・均窯(きんよう)の蓋合子、朝鮮の白磁・粉青沙器の小壺などが代表例です。

漆器の香合

種別特徴
蒔絵香合金・銀粉の蒔絵で文様を描く。最も多彩。平蒔絵・高蒔絵・研出蒔絵など。
螺鈿香合貝殻(夜光貝・鮑)を埋め込む。光の反射で虹色に輝く。
堆朱(ついしゅ)香合朱漆を何層にも重ねて彫刻。中国の彫漆技法。
一閑張(いっかんばり)香合紙と漆だけで作る軽量な香合。
根来(ねごろ)香合黒漆下地に朱漆を重ね、使用で朱が剥けて黒が見える古色。

形で楽しむ香合

香合の形は季節・茶事の趣向に合わせて多彩に展開します。自然物・動物・器物を模した見立て(みたて)香合は茶の湯の遊び心の精髄です。

香合の拝見作法と価値

茶事では炭手前の後、香合が拝見に回されます。手のひらに乗せ、蓋を開けて香を確認し、箱書き・仕覆(しふく)も含めて鑑賞します。

仕覆(しふく):香合を収める袋。金襴・緞子などの裂地で作られ、香合本体と一対として価値を持ちます。共仕覆(作者が選んだ裂地)は特に珍重されます。

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茶道具全般の見方を学ぶ

香合は茶道具の一端。茶碗・茶入・棗・水指など茶道具全体を知ることでコレクションが深まります。

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