UNFASHION
0

伊万里焼の見方入門
古伊万里・染付・金欄手の鑑賞ガイド

「伊万里」と「有田」はどう違うのか——多くの人が混乱するポイントです。実は焼かれた場所は有田、出荷港が伊万里だったため「伊万里焼」と呼ばれました。そのため「有田焼=伊万里焼」とも言えますが、現代では生産者側が「有田焼」、骨董・輸出品の文脈で「伊万里焼」と使い分けることが多くなっています。

1. 伊万里焼の三つのスタイル

染付(そめつけ)

白磁に呉須(コバルト)で絵を描き透明釉を掛けた青白二色磁器。最も基本的で量も多い。藍色の濃淡で表現する技法が特徴

色絵(いろえ)

染付の上に赤・緑・黄などの上絵を重ねた多彩色磁器。柿右衛門様式の「赤絵(あかえ)」が代表的。華やかで輸出向けに人気

金欄手(きんらんで)

染付・色絵の上に金彩を加えた最高級品。古伊万里様式の代表。オランダ東インド会社を通じヨーロッパ王侯貴族向けに輸出

2. 「古伊万里」の定義と時代区分

骨董の世界で「古伊万里」とは概ね江戸時代(1603〜1868年)に作られた伊万里焼を指します。特に17世紀後半〜18世紀初頭の元禄期のものが最高峰とされます。明治以降の近代伊万里・現代有田焼とは区別して扱われます。

時代名称特徴
1615〜1650年代初期伊万里染付中心・粗野な描線・素朴さがある。希少性が高い
1650〜1680年代中期(輸出期)品質が急上昇。VOCによる大量輸出開始。柿右衛門様式も並行
1680〜1750年代元禄〜享保期(最盛期)金欄手完成・最高品質。大皿・壺など大型品も
1750〜1868年後期伊万里量産化・絵付けが整式化。庶民向け普及品が増える

3. 主要文様とその意味

古伊万里によく見られる文様の意味

4. 骨董市での見分け方

5. 「伊万里」と名の付く輸出品の問題

「OLD IMARI」という名称でイギリスで販売されていたものには、日本の古伊万里本物のほかに、マイセン・ミントン・コープランドなどイギリスの名窯が伊万里風に製造した「イマリ様式」の品物も含まれます。これらはヨーロッパ磁器として独自の価値を持ちますが、「日本の古伊万里」とは全く異なる品物です。海外オークションで購入する際は特に注意が必要です。

DEEP DIVE

柿右衛門・有田焼の見方入門 — 余白の美と三大様式

伊万里焼の親戚、柿右衛門様式の乳白手と余白の美学、鍋島藩窯の格調を詳しく解説します。

柿右衛門ガイドを読む →

伊万里焼・陶磁器を探す

UNFASHIONで厳選された陶磁器コレクション

陶磁器(東)を見る →