GUIDE / 写真・記録
骨董品・古道具の写真撮影ガイド
査定・販売・記録に使える撮り方
2026.05.15 | 読了目安 7分
骨董品の写真は「印象」を左右する最初の接点です。同じ品物でも、光の当て方・背景・アングルで査定額が変わることがあり、ネットオークションでは出品写真の質が落札価格に直結します。スマートフォンで撮る場合でも、基本を押さえれば格段に見栄えが良くなります。
1. 撮影の基本セットアップ
1
自然光を使う
北向きの窓際が理想。直射日光は強すぎる反射を生むため、薄いカーテンやトレーシングペーパーで光を拡散させる。曇りの日は最高の撮影日和
2
背景を整える
白・グレー・黒・麻布のいずれかを使う。品物の色に応じて対比が出るものを選ぶ。柄物・木目は品物の形を埋没させる
3
三脚またはスタンドを使う
手ブレは最大の敵。スマホを固定するだけで解像度が大幅に上がる。100均のスマホスタンドで十分
4
複数アングルを撮る
全体・正面・側面・裏面(底面)・銘・傷・付属品(箱・鑑定書)の順に撮影。6〜10枚が基本
5
スケール(サイズ感)を入れる
定規・コインなどをフレームの隅に置くと実際の大きさが伝わる。特に小さな根付・帯留めなど小物は必須
2. 素材別撮影テクニック
| 素材 | 最大の課題 | 対策 |
| 陶磁器・焼き物 | 釉薬の光沢が飛んで白くなる(ハレーション) | 光を斜め45°から当てる。直接光を避けて反射板で補光 |
| 金属(銅・鉄・銀) | 映り込みで形が見えない | 拡散光を使い反射を最小化。白いペーパー背景で映り込みを統一 |
| 漆器 | 黒い表面に光が反射して蒔絵が見えない | 低角度の横光をソフトボックスで拡散。蒔絵の描写に特化した角度を探す |
| 絵画・掛軸 | 照明の反射で絵が見えない | 室内を暗くして一方向から照明を当てる偏光法が有効 |
| 木製品・家具 | 木目が飛んで素材感が伝わらない | 斜め光で木目を立てる。脚・接合部・裏側も必ず撮影 |
| 繊維・着物・帯 | 光沢糸が白飛びする | 曇天の自然光が最適。黒背景で柄を浮かせる |
3. 傷・修復箇所の撮り方
査定や売却で最も重要な情報が「状態の正直な開示」です。傷・欠け・修復(金継ぎ・漆継ぎ)は隠さず撮影することで、後のトラブルを防ぎ、むしろ誠実な出品として信頼を生みます。
傷の撮影テクニック
- 傷を強調したい場合は斜め光(レーキング光)を当てる——表面の凹凸が立体的に見える
- 欠けは接写モードで大きく撮り、全体写真との関係がわかるよう2枚セットで
- 金継ぎ・修復箇所は上から、横から、斜めの3方向で記録
- クラック(ひび)は明るい場所で透かすように撮ると見えやすい
4. 銘・款の撮り方
陶磁器の銘(款)や刀剣の銘・根付の作家銘など、価値に直結する文字情報は鮮明に撮ることが必須です。
💡 コツ:小さな銘を撮るときは、スマホのカメラを最大限近づけて「接写モード(マクロ)」を使う。ピントが合いにくい場合は少し距離を取ってデジタルズームを避け、後でトリミングする方が解像度が保てます。
5. 査定依頼に送る写真の構成
- 全体写真(正面)— 品物の全体像を示す基本の1枚
- 全体写真(側面・上面)— 立体的な形状の把握に必要
- 底面・高台・裏面 — 銘・製造時代の判断に最重要
- 銘・刻印の接写 — 可能な限り鮮明に
- 特徴的な部分の接写 — 景色・釉薬・装飾の見どころ
- 傷・欠け・修復箇所の記録 — 正直な状態開示
- 付属品(共箱・鑑定書・来歴書類)の写真
- スケール(定規など)を入れたサイズ確認写真
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